C8+533MCProにフィルターを替えてM82撮影

2023.5.1では銀河をC8+294MMProでIR640やCLSフィルターを使用してモノクロ撮影をしてきました。533MCProを用いたときもフィルターはIR640で基本的にはモノクロでした。それなりに形が上手く表現できましたが(単なる自己満足)、しかし銀河にはかなり色づく物もあり、カラー表現での撮影がしたくなりました。そこで2023.5.2では533MCProにカラー表現ができるフィルターを付けて撮影を試みました。この試みでは私の痴劣さと健忘症からみっともない結果となりましたが、星空日記として公開します。

フィルター3種:CLS, QBPⅢ, DBPアメリカンサイズで私の持っているカラー用)     撮影対象:M82(先輩諸氏の写真でなんとなく色ずいて見えたので)

撮影はオートガイドをかけてライブスタックしました。(これは前回との比較で計画されたもの)しかし、事前にダーク処理を忘れ、フラット処理については思いも至らず、撮影後の画像は悲惨なものでした。それでもめげずにフォトショップトーンカーブ処理をして、フィルター比較しました。

玄関先, C8, gain 300, 30sec×26cycle, -10℃

CLSフィルター原画像

CLSフィルター フォトショップトーンカーブ処理

QBPⅢフィルター原画像

QBPフィルター フォトショップトーンカーブ処理

DBPフィルター原画像 

DBPフィルター フォトショップトーンカーブ処理

いずれの原画像もフラットの荒れ、ダークノイズの多さが目立ちます。ひどいものです。オートガイドは効いているようです。画面上下で少しずれていますが、ノータッチガイドとは大違いです。この日の夜は少し霞がかかったようで、ガイド星もほんとに少ししか確認できませんでした。特に後半はガイドが荒れていました。フォトショップトーンカーブ処理はフラットの荒れを消すことに主眼を置きました。ダークノイズはその処理を忘れなければ減少できるでしょうし、多数回撮影のコンポジットで消せると考えました。(ホンマかいな)

フィルター間の比較では、CLSフィルターは全体のディテールが表現しやすく、DBPフィルターは苦手のような。色調差はその逆で、QBPⅢフィルターはいずれもその中間のように思いました。

 

星空日記(2023.5.3)フィルターを替えて銀河撮影

先日(2023.4.30)にセレストロンC8と294MMProにIR640フィルターを使って銀河を撮影しましたが、今回(2023.5.1)はSVBONY CLSフィルターさらにHαを主体としたナローバンド撮影を試みました。

まずはセレストロンC8と294MMProでの月の撮影です。当初、C8入手直後、ボロボロに映ったお月様ですが、私的には満足できるものでした。写真はCLSフィルターで撮影したものですが、Hαで同じ明るさで撮影するには露光時間が16倍必要でした。フィルター無では1/3の露光時間でした。

撮影条件: セレストロンC8, 294MMPro, gain 400, 0.587ms, -5℃

その後、銀河のライブスタック撮影をオートガイドせずにやりました。Hαでのライブスタックはアノテーションも含めてできませんでした。以下の写真はCLSフィルターで全て同一条件です。アノテーションは私にとって新しいもの以外はしませんでした。

撮影条件: セレストロンC8, 294MMPro, gain 350, 30sec×26cycle, -5℃

M81

M82

M92

M101

M104

以上のCLSフィルターの結果は先日のIR640フィルターとあまり変わらないように感じました。どちらもO.Kのような。

引き続いて夜も11時を過ぎるころM57が東の空にVEGAの後に現れました。今夜はこれを待っていたのです。あの小さいRing MebulaがC8でどんな風に映るのか?そしてノータッチガイドでナローバンド撮影できるのか。

撮影条件: C8, 294MMPro, Hα, SⅢ, OⅡ同一条件 gain 400, 30sec×20cycle, -5℃

M57 RGB合成

M57 SAO合成

ノータッチガイドですので星はかなり流れました。基準点合成で何とかまとめました。M57ははっきりしていて写しやすいですが、C8でも小さいですね。お月様のクレーター程度。

セレストロン反射鏡でのフード

先日のセレストロンC-8での撮影中に表面ガラス面の湿気溜まりにびっくりしました。曇るどころではなく、水滴ができていました。前から保有していたセレストロンC-5では遮光を兼ねて自作のフード(以下の写真)を作成し使っていたのですが、C-8でも必要なんかなと考えました。確かに販売もされていますし、自作でも多くの方が利用されています。

セレストロンC-5での自作フード

どうしようかなと考えたのですが、購入は価格があまりにも高く(単に巻きつけるだけなのに)、といってもC-5で自作した苦労を考えるとさらに大きなC-8での作成は二の足を踏みました。いつもこんな時100均に行ってうろうろします。暇人です。そして出来上がったのが、以下の写真です。

セレストロンC-8、C-5での新作フード

このフードには遮光効果は期待していません。あくまでも湿気対策です。湿気対策で評価すると以前のフードよりはガラス表面に対流も含めて効果があると考えました。

新作フード及びその材料

材料のメインは少し剛性のあるプラスチックネットです。鉢植えの底に敷く水抜きネットです。これが3枚セットで100円です。円筒への組み立ては柔らかい針金です。一巻き100円です。これを作るのに総額440円でした。どうでしょうか?この前の撮影では効果があったような。第一、とても軽いです。補強が必要であれば、両面テープで、遮光が必要なら薄い黒カバーでもと考えますが。

星空日記(2023.4.30)セレストロンC-8でのライブスタック

2023.4.28の夜も前日に引き続き良い天気でした。この夜、やっと念願のセレストロンC-8でのライブスタックをすることにしました。今まで2023.4.22にセレストロンC-8(+レデューサー)+533MCPro、前日の2023.4.27にはSD81SⅡ(+レデューサー)+294MMProの組み合わせでライブスタックとアノテーションはうまくいってきました。今回の撮影はレデューサーを用いずセレストロンC-8単体です。SD81SⅡ(+レデューサー)に比較して焦点距離は3~4倍、F値は1.5倍となり、難易度は高くなります。これが上手くいくとヤフオクで入手したセレストロンC-8が遂に私の望遠鏡と認知することができます。

撮影条件は当初、以前とはぼ同様にやろうと決めていました。ただ、F値がだいぶん大きいので暗すぎると考え撮影時間だけを15secから30secに変更して、撮影を開始しました。結果はライブスタックの失敗です。この辺のことは先輩諸氏のご報告から予想されたので、もう少し明るくしようとgainを300から400に変更しました。するとライブスタックが成功しました。「アッ、上手くいった」高齢老人の感激です。そしてこの条件でダークを撮り直し、オートガイドをかけずに銀河の夜空に向かいました。今までにない大きな銀河が撮影できました。アノテーションもSD81SⅡ(+レデューサー)に比較して数倍の時間がかかりましたが全て上手くいきました。画像処理はフォトショップトーンカーブ少しいらいました。

自宅玄関先 294MMPro, IR640フィルター, gain 400, 30sec×18cycle(M51は10cycle), 0℃

M3

M51

M81

M101

M104

 

星空日記(2023.4.29)ライブスタックで銀河巡り

ライブスタックの効能がわかったので、2023.4.27の夜にSD81SⅡ(+レデューサー)で銀河巡りをしました。ダークを撮った後、オートガイドもかけず、全く同じ撮影条件で次から次へと対象を替え、わずか1時間ほどで8つの対象を撮影しました。アノテーションも一度も失敗せず、完璧でした。まだまだできたのですが、腰が痛くなり中止しました。あんまりいっぺんにやってもネ。

撮影条件:家の玄関先, 294MMPro, IR640フィルター, gain 300, 15sec×20cycle, 0℃

M3

M51

M53

M63

M81,M82

M101

NGC4627,NGC4656

マルカリアンの鎖

全く私の目では見えないのですが、空は銀河だらけですね。ただ、M101は映りが悪いです。

星空日記(2023.4.27)セレストロンC-8のその後(3)

2023.4.26は雨あがりのきれいな夜空でした。2023.4.22に引き続いて自宅玄関先でセレストロンC-8(+レデューサー)、カメラに533MCPro、フィルターは前回同様IR640で撮影しました。撮影対象はM51M101M104です。撮影方法はライブスタックと今までと同様の複数枚撮影のコンポジット法です。実を言いますと私はライブスタックをほとんどしたことがなく、たまに実行すると何故か失敗ばかりしていました。今回もあまり考えずについつい試してみただけでした。すると不思議に上手くいったのです。

結論ですがM101は導入に失敗したのか、望遠鏡が曇ってしまったのかわかりませんが撮影できませんでした。しかしライブスタックの映像は私にとってなかなか興味のあるものになりました。

M51 gain 350, 16bits 19frames 304sec, -10℃, オートガイド無

M51 gain 350,  60sec×20cycle, -10℃, オートガイド有

M104 gain 350, 16bits 20frames 300sec, -10℃, オートガイド無

M104 gain 350,  60sec×20cycle, -10℃, オートガイド有

今回のライブスタックはダークノイズの除去など何もせずに撮影したものです。オートガイドもなく、たった5分でオートガイドをかけた60sec×20cycleの映像と大差ない画像が得られました。ノイズ除去処理などを施せば省時間効果はすごいです。私は今までナローバンド撮影撮影ばかりしていて、ライブスタックはほとんどしてきませんでした。というかライブスタックの映像は劣っていると思い込んでいたのですが、今回は見直しました。今後ですが、ライブスタックを勉強しようと思います。

また、セレストロンC-8ですが、筒先はない状態で保温はしていたのですが、撮影途中から鏡筒面が雨に濡れたようになりました。これで撮影は中止しました。この防止策が必要です。さらにガイド鏡や電子ファインダーの固定部が弱く、ぐらつきやすいです。これをどうするかですが、いろいろ考えるとますます重量が増え、悩ましいところです。早くレデューサーを付けないで撮影したいのですが。

星空日記(2023.4.23)セレストロンC-8の光軸調整その後(2)

昨晩(2023.4.22)は風は強かったんですが、良く晴れた夜でした。待ちに待ったヤフオクで手に入れたセレストロンC-8(光軸が完全に狂っていて、解体と再調整したもの)の試用ができました。結果は私としては大変満足できるものでした。ようやく私の望遠鏡に組み入れることができると思いました。

撮影 自宅玄関先, セレストロンC-8(+レデューサー)IR640filter, gain 300, 15sec×40cycle, 0℃ 60secや30secで撮影しましたが風が強くガイドをかけても揺れて映り15secが画像処理後で一番きれいでした。

M3

トリミング後

M104 

トリミング後

撮影対象付近の恒星での光軸チェックは問題なく大変きれいでした。

アークトゥルスでの光軸チェック

スピカでの光軸チェック

今回の撮影結果は私にとって、星空撮影を始めてからヤッターと感激したことの一つになりました。今までは5kg以上の鏡筒に扱いに躊躇していたことが吹っ切れたこと、さらにヤフオクで入手したものが苦労して使えるようになったこと、そして何よりも私にとって焦点距離の最も長いものが自分の望遠鏡になったことです。