L-UltimateとZWO-Duo比較(M27、M20、IC5146)

2024.7.3-4は久しぶりの梅雨の合間の晴れでした。長い間、撮影の機会がなかったので新しい対象もうかばず、仕方なく撮り慣れたM27、M20、IC5146でL-UltimateとZWO-Duoフィルターでの映り方比較してみようと思いつきました。最近は光害地の我が家の庭からの星雲撮影はほとんどをL-Ultimateを用いています。撮りやすさはピカ一ですが色彩が硬直化しているのが気に入りません。以前はQBPⅢやDBPフィルターも用いたりしたのですが難しい対象ではL-Ultimateが最強でした。今回は以前に購入して放置していたZWO-Duoフィルターを比較しました。実を言いますとL-Ultimateのフィルター厚は2.00mmでQBPⅢ、DBPは1.75mmです。フィルター厚が異なるものをフィルターホイールに混載した時、焦点合わせが面倒くさいのでいつしかQBPⅢ、DBPを避けていました。ZWO-Duoはフィルター厚が2.00mmなので比較が容易でした。

撮影条件は以下のとうりです。

L-Ultimateフィルター

 2024.7.3, 撮影場所:我が家の玄関先, 赤道儀:HEM27EC , 望遠鏡: R200SS(+コレクターPH:焦点距離780mm、F=3.8) ,  カメラ:ASI533MCPro, -5℃ , gain 300,  300sec-5cycle,Dark処理有, オフアキシスガイド:SEDNA-M(PHD2)

ZWO-Duoフィルター

 2024.7.3, 撮影場所:我が家の玄関先, 赤道儀:HEM27EC , 望遠鏡: R200SS(+コレクターPH:焦点距離780mm、F=3.8) ,  カメラ:ASI533MCPro, -5℃ , gain 300,  150sec-5cycle,Dark処理有, オフアキシスガイド:SEDNA-M(PHD2)

フィルター間の撮影条件の違いは撮影時間だけです。また、画像処理はステライメージで階調のレベル調整のみを行いました。

M27 (L-Ultimateフィルター)

M27 (ZWO-Duoフィルター)

ZWO-Duoフィルターでは背景の明るさ変化が気になります。星雲自体はどちらもきれい。

M20 (L-Ultimateフィルター)

M20 (ZWO-Duoフィルター)

やはりZWO-Duoフィルターでは背景の明るさ変化が気になります。星雲自体はZWO-Duoの青い部分がきれいに出るのが印象的です。L-Ultimateは単調。

IC5146 (L-Ultimateフィルター)

IC5146 (ZWO-Duoフィルター)

IC5146ではZWO-Duoフィルターでは星雲の浮き出しに苦労します。以前にIC5146をF値の大きなμ180Cでモノクロナローバンド撮影した時、容易に大きく浮きだたせたことがありました。それに比較してこの結果は意外でした。

最後にこの日の追加でNGC7009(土星状星雲)のワッカだけを対象に簡単に撮影しました。内部はどうやったら撮影できるのでしょうか。

NGC7009, 2024.7.3, 撮影場所:我が家の玄関先, 赤道儀:HEM27EC , 望遠鏡: R200SS(+コレクターPH:焦点距離780mm、F=3.8) ,  カメラ:ASI533MCPro, -5℃ , gain 300, L-ultimateフィルター, 37.5sec-20cycle,Dark処理有, オフアキシスガイド:SEDNA-M(PHD2), Stellaimage 、Photoshop、Denoize AI、トリミング