HEM27EC購入経緯と使用途中の感想

このところ私の出来の悪いアーカイブ天体写真でこのブログの先頭を記させていただき申し訳ありません。最近、CP+2023での展示報告がございました。今からの天体写真に使う鏡筒として老人が扱いやすいものは何だろうと展示報告を見ています。

赤道儀に関しては、私はHEM27を体力も知力も衰えつつある老人に、そして女性(知力は十分にありますネ)に推奨します。

私は昨年8月末に新しい赤道儀 としてi-OptronのHEM27ECの購入を決め、Zizcoさんに発注しました。私の天体写真マイブームにとって画期的なことでありました。なかなか到着せず、届いたのは10月下旬です。以下にその経緯と今まで使用した感想をまとめます。

HEM27ECの購入を決めた一番の理由は、軽いこと、ただそれだけです。私は今まで、2軸赤道儀は使ったことがありません。理由は重いからです。軽くて、精度が良いとのこのでSWAT350V-specを使用してきました。

しかし、SWAT350を赤道儀としてSD81SⅡを載せて使用すると鏡筒部分で、フィルターホイール、電動フォーカサー、オートガイド鏡、ガイドスコープ、極軸合わせ鏡を付けると6.5kgになります。そして、バランスに延長シャフトが必要となり、バランス用錘は2kgが一個、700gを2個つけてもまだ、時に足りない状況となりました。

また、SWAT350の取付架台、経緯軸に使う微動はしっかりしているのですが、重いです。精度を除けば、初心者用2軸赤道儀と重量的に変わりない内容です。延長シャフトが要らない、錘が要らない、どの程度か私には判断できないが、自動導入ができるなどの理由ではやりのハイブリッド自動導入赤道儀に変えようと思いました。

この時点で対象のなるものとしてZWO AM5が巷に広がっていました。ユーチューブやブログでその姿は多く示されていました。しかし、HEM27は軽い。これが大事です。電子極軸鏡もついている。それと、i-Optronは昔から赤道儀を製造していてなんか特徴はあるものの、特別な問題があるとは聞いていない。GEM28だって評判が良い。

以下に私の使用感をまとめます。私の初めての2軸赤道儀であること、天体写真を撮り始めてまだ2年未満で、だいぶん老化が進行した脳みそを勘案してご判断してください。

1.いままで、評価がよく公表されているGEM28と同様の使用感ではないかと思います。もちろん、軽い。そこが違います。三脚も同時購入しましたが、軽くてしっかりしています。SWAT時代の半分以下の重量感です。

2.ゼロポジション(最初この意味が分かりませんでした)をきめ、i-Polarで極軸を合わせた後(これが楽でした)、目標天体に近い明るい星(見やすければ何でもよい)をハンドコントローラーで指定して、導入します。その時は、明るい星は真ん中には来ません。しかし、画角の広いガイドスコープ等の中には、入ってきます。

3.そこで、Sync to Targetを押し、ガイドスコープ等を見ながらハンドコントローラーで調整して明るい星を望遠鏡の中央に持ってきて終了とします。そこから近くの目標天体を指定すれば、それはほぼ真ん中に入ってきます。その時、プレートソルブすれば、完璧なんでしょうけど。

4.もう一つは、Skysafariとの連携が完璧です。ハンドコントローラーに入っているデータから目標天体を探すのは面倒です。だいたい、何が入っているのかわかりません。なんか、いっぱい入っているんでしょう。探せません。それで連携させたSkysafariで検索して、指定すればそれでOKです。見事に導入されます。

5.以上を見ると今まで、SWAT350で苦労してきたことが何だったんだろう。HEM27ECの私の評価は「すごい」その一言です。一方で、ちょっとつまらないといった贅沢な気持ちも。それと今はオートガイドをAllinone Guider SS-one V2を使用していますが、これが好調です。見直しました。私はPHD2を使ったことがありません。(1軸赤道儀しか使ったことがないので)これから学習していきます。

6.ECの効果は今のところ私にはわかりません。いまの私の赤道儀の使い方では、土台がいい加減なのです。土台がいい加減で、上を精度上げたって意味がないと考えています。オートガイドするのであれば、ECは必要ないと思います。

7.びっくりしたのは、子午線越えです。SWAT350では想いもよらなかったことが起きました。180℃近くなると急に星が流れるのです。初めてのことで、てっきり故障かと思い、経緯台のネジをいらいました。要らぬことをしたものです。

HEM27ECが到着した当初、zizcoさんの日本語マニュアルにワンスターアライメントなんて、AZ-GTiと同じ文言が載っているのですが、ハンドコントローラーにはそんな項目はありません。 i-Optronのネットでのマニュアル書でもそんな項目はありません。ファームウエアを更新しても同じです。zizcoさんに問い合わせしたところ、訂正文が送付されてきました。

以上、細かい精度などについては、私はわかりません。しっかりはしています。特別に加えるものも私にはありません。撮影時にちょこっと玄関に出し、終わったらさっと家にかたずけます。

今後ですが、ブログに報告する天体写真はすべてがHEM27EC赤道儀を使用したものになります。